場にいあわせた人たちがつくりだす「芝の家」の時間は、思いがけない展開になることもしばしばです。
「芝でこそ・手しごとの時間」、ちゃぶ台にあつまって和紙のちぎり絵を楽しんでいた午後。先生役のAさんが、「あーお線香を忘れてきちゃったー。ごめんなさい、買ってくるわ!」
火をつけたお線香を和紙にあて、ブドウの葉の「虫食い」を表現するつもりでいたそうです。
うーん、たのしい時間を中断せずに、何か「芝の家」にあるものでお線香の代用ができないものか。細い木の枝に火をつけてみたらどうかな?
あれこれ考えつつ見回していると、ポツリと口を開いたのは、コーヒー休憩に来ていたUさんです。
「麻ひもとサラダ油があれば作れるかも。」
麻ひもならあります。あっ、紙ひももありました。でもサラダ油がないんだ、とあきらめかけたその時、Uさんがバッグから取りだしたのは、なぜかお手製の歯みがき剤。
ココナツオイルとミントとターメリックを混ぜたという黄色いペーストです。
これをごしごしと麻ひもと紙ひもの先に染みこませ、火をつけてみると・・・
即席のアイデアお線香で、ブドウの葉に穴があきました!
ふとしたハプニングから生まれた、ほんのつかの間の小さな理科の実験室。持ち寄ったものを合わせて切り抜けられたことに驚き、わくわくしながら。
ここから話題は非常時のろうそくの作り方、体にやさしいハチミツのことなど。手しごとしながらのおしゃべりは続いていきました。
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